天才科学者の林晏殊(リン・イエンシュー)は、幼い頃に誘拐され、十年後ようやく名門・林家へ戻る。
だが、そこに彼女の居場所はなかった。
“本物の娘”であるはずの林晏殊の座は、すでに養女の林文晚(リン・ウェンワン)に奪われていたのだ。
林文晚の策略によって、林晏殊は罪を着せられ、七年間の服役を余儀なくされる。
しかし獄中で彼女は、誰にも知られることなく世界最先端の制御可能核融合技術を完成させる。
出所後、その才能を認められた林晏殊は、やがて国家を代表する研究者となる。
それでも、家族も婚約者の羅文晨(ルオ・ウェンチェン)も真実を見ようとはしない。
彼らはなおも林文晚に惑わされ、林晏殊を傷つけ続ける。
自分が腎臓を提供して羅文晨を救ったこと、その事実さえも書き換えられていた。
さらに、自分の足が壊された真相まで知ったとき、林晏殊の心は完全に冷えきってしまう。
もう、この家に期待しない。
もう、誰にも愛を求めない。
林晏殊はすべてを科研に捧げることを選ぶ。
だが長年の虐待で蝕まれた体は、少しずつ限界へ向かっていた。
そして、唯一彼女を救える特効薬までもが、林文晚によって故意に無駄にされたと知ったとき――
林晏殊は自らの遺体を研究のために提供し、この世界に静かに別れを告げる。
それは、最後まで報われなかった一人の天才が、
命の果てまで未来を照らし続けた物語。