地獄のような支配から逃れるため、安憬(アン・ジン)が手を伸ばしたのは、決して近づいてはいけない男だった。
叔母の恋人であり、激しさと危うさをまとった男――秦不逍(チン・ブーシアオ)。
告解室では罪を告白するように、カジノでは誘惑するように。
安憬は甘い嘘と研ぎ澄まされた駆け引きで彼の心を奪い、その執着と力を利用しながら、自由への道を切り開いていく。
けれど、この関係は最初から愛なんかじゃない。
禁じられた想いも、重ねた夜も、すべてはこの場所から逃げ出すための代償。
彼女にとって秦不逍は、救いではなく“自由を手に入れるための最後の切り札”だった。
すべてを差し出した男が、血に染まりながら「どうしてだ」と問いかけたその瞬間、
安憬の手にはもう、彼の命と引き換えに手に入れた自由へのチケットが握られていた。
愛か、裏切りか。
救いか、利用か。
これは、一人の女が生き延びるために、最も危険な男を選んだ背徳の逃避行