俺の名は葉淵(イエ・ユエン)。黒冥山で万年、道祖境の頂に立ちながら、ただ静かに暮らしてきた。
そんなある日、血と泥にまみれた若い娘が、俺の足元に倒れ込んできた。葉霊泷——遠い昔に残してきた俺の血筋、その最後の生き残りだ。大斉皇族が葉家を滅ぼし、彼女だけが復讐を胸にここまで逃げ延びたという。震えながらも決して折れないその眼差しに、俺は久方ぶりの「興味」を感じていた。
「わしの末裔に手を出すとは、いい度胸だ」
万年ぶりに下山を決めた俺の背後には、この山で拾い育てた弟子たちがずらりと並んでいる。狩る者と狩られる者、その立場はこの瞬間、完全に逆転した。
皇族が誇る四象神将を次々と屠り、国を支える龍脈に潜む陰謀を暴く。だがまだ終わらない。すべての裏に潜む真の黒幕——荒寂古帝と域外天魔の存在が浮かび上がった時、俺は静かに嗤った。
それは血の復讐劇だけではなく、魔道の始祖として、守護者として——
俺が握る二つの選択が、この世界の運命を決める。